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東京高等裁判所 昭和37年(ラ)252号 判決

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の理由は別紙記載のとおりである。

抗告理由(1)についてみるに、相手方が抗告人の家を出て抗告人と別居するにいたつた経緯が原審判認定のとおりであることは、原審判書に挙示された資料によりこれを肯認することができる。右別居の原因について相手方が一方的に責任があるとの抗告人の主張は認めることができないから所論は失当である。

抗告理由(2)及び(3)について、抗告状には右の点の詳細な理由を追完するとあるが、いまにいたるもその追完がないので、それを知ることができないが、原審判が、抗告人に対し相手方の生活費につき分担を命じた額を算定するについて斟酌した、抗告人及び相手方の所要生活費、双方の資産、社会的地位、生活能力並びに生活環境などに関する認定は、右審判書に挙示された資料その他本件記録に現われたすべての資料により相当なものであり、右負担を命じた額も高きにすぎるとは認めがたい。抗告人の指摘する山林は右にいう資産として認定されたものであり、又抗告人が株式を有したとの事実は本件記録の家庭裁判所調査官の昭和三三年一一月二〇日付調査報告書中抗告人の陳述要旨記載によつて認めることができる。この点の所論も採用しえない。

その他本件記録を精査しても原審判を取消すべき違法な点を見出すことをえない。

よつて、本件抗告は理由がないものとしてこれを棄却する。

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